鷹之島自然保護運動や安房先賢偉人顕彰事業は会主奥澤福太郎氏が主唱して中心となって活動を推進し実践に移した功績は次の文章によって知ることができます。


昭和6年館山海軍航空隊の新設にあたり、奥澤氏らは鷹之島を飛行場外におき、その風致を保存し、一般人の自由立ち入りを許してほしいと猛烈な市民運動を起こした。その結果、鷹之島は基地から外されたのである。
当時の航空本部長であった山本英輔海軍大将の書状によってその辺の事情を知ることができる。


「鷹之島を飛行場外におき、その風致を保存し、一般人の自由立ち入りを許されたし、と猛烈に運動された結果、ついにその意見を容れる事になった。あの鏡浦を館山原始的処女林の天然美を今後に遺すことを得た功績は何としても奥澤君の力であった」
それにしても、軍事優先の非常時によく許されたものと思う。今から60年前に良識のある一人の軍人と一人の民間人の話し合いによって自然保護と環境保全の実践がなされたことに対して深い感銘を覚えるものである。


 尚、鷹之島弁財天新築復興事業にあたり、海上自衛隊館山航空基地より20万円の寄付を頂きました。海軍館山航空隊が開隊されて以来、基地のそばにあり、いわば守り神のような存在、一時は館空神社と呼ばれることもあったゆかりの深い神社なのです。




日本には全国で、江の島・竹生島・厳島・金華山・天川 の五弁財天がある。

言葉は人間の作った不完全な記号にすぎない。そのような言葉で宇宙の森羅万象、億兆の変化を説明し尽くせるものではない。弁財天信仰の対象は弁財天女尊である。

古代インドで水の神、河川の神としてそのイメージが定立され、さらに福運の神、愛情の神、年和の神としての性格も兼具し、千数百年前、すでに日本に伝えられ、日本人の心に深く定着してきた。仏教との関係ではあらゆる仏教の守護神として強く結び付いている。

水の神の水とは・・・。地球上のすべての生物は水によって生きている。生命はもと海に発生した。
いわば生命は、水の動きが作り出した一つの構築物だった。やがて、この構築物は陸に上がる。ただし、その中に湛えた水は捨ててくることをしなかった。水を捨てることは生命を捨てることだった。人間の体は現在も80%が水分であるという。肉体という生命の容れ物は水を湛え、その水を運び、その水の動きによって生命を維持している。水を全く無縁で生きる生命体はほとんど発見不可能である。

古代インドアーリアの人々が流れる水に生命の基本相を観じ、そこの神の姿を認めたのはすぐれた直観でもあり、また当然ともいえる。古代の人々は水の中に生きとし生けるものへの神示を発見した。

さて、水の性は、低きに流れる素直な心。低きに流れてとどまることのない水は謙譲とともに、たゆみない求道心を示している。高きにとどまる水はやがて腐り水となる。物として忌まれる。増上慢はすべての信仰者にとって心内の敵である。方円の形に従う水の性は、個人的な我意を捨てて、神意にゆだねる信仰の誠となる。

美しいもの、汚れたもの、すべてを受け入れて溶かしこむ、水の包容力が説かれる。
孤立した生命というものはあり得ない。一つの根源から果てしなく分離と結合を繰り返す生命は、たがいに寄り添い依存しあうのが自然の相となる。

包容力は生命の集団愛の出発点である。おのずと慈悲、ヒューマンリズムにも通ずるものである。
汚れを清める水の浄化作用は、そのまま生命の浄化作用となる。善根をつむことがおのれを浄化することにもつながっていく。

上があるから、水は流れる。力の場に逆らわぬ水の心は自己の仂きにおごらず、他力への鑚仰となる感謝はそこから生まれる。


〜 山岡荘八 生命の水 〜 より一部抜粋


古事記が語る”荒ぶる神”スサノウの伝承
 スサノウは、イザナギより海原を治めるように命じられたものの、アゴひげが長々と伸びるに至ってもただ泣くばかりで、少しも役目を果たさなかった。その泣く様は、「青山や枯山の如く泣き枯らし、河海は悉(ことごと)に泣き乾(ほ)しき」というほどで、悪しき神がはびこり、あらゆる災いが起こった。

 イザナギが「なぜお前は私の命じた国を治めずに、泣いてばかりいるのか」と問うと、スサノウは、「私は亡き母が恋しく、母の住む根の国、地底の国に参りたくて泣いております」と答えた。イザナギはこれを聞いて大いに怒り、「では、お前はもうこの国に住んではいけない」と言って、スサノウを放逐してしまった。

 スサノウは、この事情を姉神のアマテラスに伝えてから根の国に行こうと思い立ち、高天原に昇っていった。その勢いは、「山川に悉(ことごと)に動(とよ)み、国土(くにつち)皆震(ゆ)りき」というほど凄まじいものであった。
 その轟きに驚いたアマテラスは、「我が弟がそのようにして昇ってくるのは、私の国を奪おうという善からぬ考えからに違いない」と言い、髪を解いて角髪(みづら)に結い、完全武装で弟神を出迎えた。

 アマテラスが「何故昇ってきたのか」と詰問すると、スサノウは事情を説明し、自分に邪心のないことを打ち明けた。アマテラスは、「ではそなたの心が清く正しいことを、どのように証明するか」と改めて問うたところ、スサノウは、“誓(うけ)ひ”と呼ばれる神生みの占いを行うことを提案した。アマテラスはこれを受け、スサノウとの間で、“誓(うけ)ひ”を行うと、そこから様々な有名な神、宗像三女神(ムナカタサンジョシン)、忍穂耳(オシホミミ)、天之菩卑など(アメノホヒ)が生まれるのだが、これにより、スサノウの疑いは晴れることになる。

「一厘の仕組み」の主体となられる神は、イチキシマヒメノミコトであり、その本体はの坤金神(ひつじさるのこんじん)である。そして、坤金神の御精霊体が神素盞鳴尊(かむすさなるのみこと)である。

※『日月神示』では、「神一厘の仕組み」というものがあるとされています。九分九厘(99パーセント)まで進んだとき、最後の一厘(1パーセント)で「大ひっくり返し」が起きるというのです。

日月神示と古事記の神々の予言〜天直流の言霊〜
著:中矢伸一    より抜粋



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